呼と循ゼミナール
呼吸生理研究と臨床(4)—flow volume曲線
冨田 友幸
1
1北里大学医学部内科
pp.322
発行日 1976年4月15日
Published Date 1976/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404202890
- 有料閲覧
- 文献概要
強制呼出の気流速度と肺気量とは肺の力学的要素を介して密接な関係を持っていることが指摘されてからほぼ20年を経て,現在ではflow-volume曲線は臨床的にも広く活用され,Vpeak,V50,V25などの指標は日常の臨床にもなじみ深いものになって来た。強制呼出の気流速度を規定するのは肺の力学的因子と,呼出の努力など肺外の因子と,ガスの性質である。flow-volurne曲線を臨床的に活用する目的は主として肺の力学的因子を知ることであるが,ガスの性質などを巧みに利用することによって臨床的により一層有役な情報を得ることができる。例えば最近iso-flow volume(Visovなる指標が用いられるようになったが,これはHeによるflow volume曲線から得られるものである。
強制呼出の気流速度は,equal pressure point(EPP)theoryによれば,EPPより末梢のupstream resistanceと肺のrecoil pressureによって決まる。
Copyright © 1976, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.