Japanese
English
解説
Flow volume曲線の理論展開
Theoretical analysis of flow limitation on maximum expiratory flow volume curve
玉谷 青史
1
Seiji Tamaya
1
1東海大学第2内科
1The Second Department of Internal Medicine, School of Medicine, Tokai University
pp.971-977
発行日 1985年8月15日
Published Date 1985/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404204720
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最大呼出気速気量曲線(Maximum Expiratory FlowVolume curve)はマイクロプロセッサーの発達による機器の改良と価格の大衆化によって近年広く普及して用いられている有用な肺機能検査である。この検査法では肺気量と最大気速の関係が直感的に得られ,そのパターンからある程度疾患を推察することが可能であり,また良好な再現性が得られるのが特徴となっている。再現性をもたらすのは努力性に依存しない最大気速,すなわちeffort independent flow limitationによるところが大きいが,この現象がどのようなメカニズムによって作られるかは未だ十分理解がなされていない。1950年代の終わりから1960年代にかけ駆動圧と気道抵抗の関係から電気の現象との相似性を踏まえて理論的解説がなされてきたが,十分納得のいく説明とは言えない。また77年ごろには流体力学のうえでwave speed flow limitationをもとに理論的解説がなされたが,これらの概念は肺を機能中心に単純化したモデルについての理論であり,多くの仮定を踏まえた概念的なものである。しかしこれらの理論的背景を元にMEFVを考えることは意味があろう。ここではなるべく数式を使わないでeffort independentな最大気流速度ができるメカニズムを考えてゆきたい。
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