今月の主題 肺機能検査の実際
肺機能検査で何がわかるか
Flow-volume
佐々木 孝夫
1
1東北大第1内科
pp.503-505
発行日 1979年4月10日
Published Date 1979/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402215831
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はじめに
細長い管中を空気が流れる場合,管内側圧は上流ほど高く,下流ほど低い,ある圧差を持つ.逆に細長い管中に空気を流す場合には,流れの方向に圧差・駆動圧をつくらねばならない.管の性状が変わらない場合,一般に駆動圧が大きくなると気流速度も大となる.また,駆動圧が変わらず,管がさらに細く長くなると気流速度は減少する.すなわち,駆動圧と流速の関係をみれば,管の性状を推測でき,概念的に駆動圧/気流速度比を抵抗と呼び,その大小で,たとえば気道が狭くなっているかどうかを判断する.
複雑に分岐した気道系に空気を流す場合も,同様に駆動圧をつくらねばならない.呼吸器では空気が流れると同時にその容積も変化するため,われわれは容積を変えるために駆動圧とは別に,肺弾性圧あるいは呼吸器弾性圧に亢する圧もつくらねばならない.気道系の内径,長さは固定されたものでなく,肺容積あるいは肺弾性圧の程度によって変わってくる.
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