特集 末梢気道の病変
末梢気道病変とflow-volume curve
滝島 任
1
,
山林 一
1東北大学第1内科
pp.19-26
発行日 1977年1月15日
Published Date 1977/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404202999
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
末梢気道の閉塞性病変を早期に検出する方法の一つとして,maximal expiratory flow-volume(MEFV)curve,ことにその低肺気量位での観察に寄せられる期待はきわめて大きいが,その変化が直ちに末梢気道の病変に結びつくか否かに関しては,今日なお直接的な証明に乏しいといわざるをえない。
末梢気道に閉塞性病変が存在する可能性の高い病態,つまりいわゆるsrnall airway diseaseにおいて,MEFV曲線のことに終末部に変化がみられ,V25,V10の低下,V50/V25比の増加,すなわち上方に凹の曲線性が高度になることは,すでに定説となっている1,2)。学生を対象とした喫煙の影響に関するPeter & Ferrisら3)の成績においても,MEFV曲線上,high lung volumeでの情報,V90,V75,V50では喫煙によってほとんど変化を認めえないのに対し,low lung volumeでの,V25,V10には明らかな低下が出現している。
Copyright © 1977, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.