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特集 心臓・大血管の超音波診断
心エコー図による心内容積の測定
Determination of left ventricular volumes by ultrasound
田中 久米夫
1
,
吉川 純一
1
,
加藤 洋
1
,
大脇 嶺
1
Kumeo Tanaka
1
,
Junichi Yoshikawa
1
,
Hiroshi Kato
1
,
Takane Owaki
1
1神戸中央市民病院循環器センター内科
1Kobe Municipal Central Hospital
pp.881-891
発行日 1975年10月15日
Published Date 1975/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404202819
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心臓病診断学の分野における心エコー図の最近の進歩はめざましく,心エコー図が各種先天性および後天性心疾患の解剖学的診断はもちろんのこと,左心容積を含む心機能の分析にも利用されるようになってきた。従来主として観血的方法によって測定,解析されてきた心機能が,非観血的かつ簡便に施行できる心エコー図によって推定されることは大きな魅力である。観血的方法は重症患者の測定や同一患者の反復測定にきわめて不適当であることは言うまでもなく,常に生命に対する危険を伴っていることを念頭に置くべきである。しかしながら,心エコー図による左心容積やその他の心機能諸指標の測定は,常にある一定の仮定に基づいてなされ,またその測定値には記録に際して生ずる誤差が混入する。かと言って,このような問題は必らずしも非観血的検査法に限らず観血的検査法にもあてはまることであって,前者の意義を大きく落すものではない。現状では,心エコー図による心機能分析の有用性を検討するために観血的検査法が基準となっており,これは歴史的な背景に基づくものも多いと考えられる。きわめて最近この方面で進歩しつつある心エコー図の有用性が,比較的古くから心機能測定法に利用されてきた観血的検査法に基づいて検討されるのは一応妥当なものと考えざるをえない。
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