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特集 心臓・大血管の超音波診断
大血管の超音波診断
Ultrasonocardiographic studies of the great vessels
竹沢 英郎
1
,
角田 裕
1
,
塩崎 久弥
1
Hideo Takezawa
1
,
Yutaka Kakuda
1
,
Hisaya Shiozaki
1
1三重大学医学部第1内科
1Dept. of Int. Med., Mie Univ. School of Med.
pp.893-898
発行日 1975年10月15日
Published Date 1975/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404202820
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近年UCGの循環器疾患診断への応用が急速に進み,特に僧帽弁疾患における弁片の運動および左室壁運動の解析にきわめて有用な武器となって来た。一方,大血管の形態,動態の検討についてもUCGの応用は次第に拡がりつつある。1966年Segalら1)によって超音波エコーグラムによる腹部大動脈の計測が行なわれて以来,腹部大動脈瘤の診断等にきわめて有力な武器として応用された。更に1968年,Tahti2),1970年Goldbergらによって始めて胸部大動脈瘤の超音波診断がなされて以来,Goldberg3)4)によって試みられたSuprasternal Ultra-sonographyが導入され,大動脈弓および右肺動脈の観察が普及するようになった。
心血管造影法の如くカテーテル挿入という観血的侵襲を前提とする手技に比し,全く無侵襲にこれら大血管の計測観察が可能であるUCG法は臨床的にきわめて有用な方法であり,特に同一症例についての経過追求,負荷試験などに不可欠な手段となるであろう。本法は形態学的のみならず,機能的に大血管壁の運動をも観察することが可能であり,動脈硬化症にもとづく脈管壁力学的特性の検討の目的に向ってはきわめて意義深いものと考えられる。
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