Japanese
English
講座
心エコー図(UCG)からみた心室中隔の動き
Clinical significance of echocardiographic interventricular septal motion
吉川 純一
1
,
大脇 嶺
1
,
加藤 洋
1
,
柳原 晧二
1
,
高木 義博
1
,
奥町 冨久丸
1
Junichi Yoshikawa
1
,
Takane Owaki
1
,
Hiroshi Kato
1
,
Koji Yanagihara
1
,
Yoshihiro Takagi
1
,
Fukumaru Okumachi
1
1神戸中央市民病院循環器センター内科
1Department of Cardiology, Kobe Municipal Central Hospital
pp.985-996
発行日 1977年11月15日
Published Date 1977/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404203122
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
超音波を用いてはじめて心臓病の診断に成功したのは,SwedenのEdlerらである。それは1950年代のことであり,僧帽弁狭窄で僧帽弁前尖エコーが特徴的な拡張期プラトーを呈することがすでに報告されている1〜4)。しかしながら,1960年代の後半に到るまで,超音波はもっぱら僧帽弁エコーのみを検査対象としていた。心エコー図が僧帽弁エコーから脱皮するきっかけは,Feigenbaumらの心のう液貯留の超音波診断(1965年)に始まるが,何と言5)っても心エコー図により心室中隔,左室後壁などの左室エコーが同定されたことが,現在の心エコー図発展につながるものといえる。1969年,Poppら6)は心室中隔エコーの同定にはじめて成功し,心エコー図による右室・左室径計測のきっかけを作った。さらに心エコー図の意義を決定的にしたのは,Diamondら7)により心房中隔欠損で心室中隔の奇異性運動(paradoxical motion)が認められることが明らかになったことである。このDiamondらの業績以来,心室中隔奇異性運動を呈する種々の疾患が,相次いで報告されるようになり,心エコー図診断の中における心室中隔運動の位置は,弥が上にも高まってきた。
Copyright © 1977, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.