Japanese
English
講座
妊産婦と呼吸
Respiration in pregnancy
吉矢 生人
1
,
久 靖男
2
Ikuto Yoshiya
1
,
Yasuo Hisa
2
1大阪大学医学部付属病院集中治療部
2大阪大学医学部付属病院産婦人科
1Intensive Care Unit, Osaka University Hospital
2Department of Obstetrics and Gynecology, Osaka University Medical School
pp.225-232
発行日 1975年3月15日
Published Date 1975/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404202733
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妊産婦の呼吸に関して,2つの興味ある問題がある。その1つは,妊娠中の婦人が過換気を行っていることであり,すでに1904年にこのことが指摘されている。その後,数多くの成績がこれを裏づけており,その原因も以下に述べるように女性ホルモンによることがわかって来た。第2は,胎盤と胎児の間のガス交換に関する問題である。母体は分娩中も過換気を行っていることが知られているが,このことが胎児にとって有利なのかどうかが最近盛んに研究されている。しかしながら,この問題に関しては実験方法の困難さもあって,最終的な結論は今後の研究にまつところが大きい。
なお,妊娠子宮が腹部膨隆をきたすことによる肺気量の変化(機能的残気量の減少など)についてはProwse & Gaensler1), Gaensler2)の総説を参照されたい。
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