呼と循ゼミナール
急性心筋硬塞(II)—胸部X線写真と肺動脈楔入圧との関係について
兼本 成斌
1
1慶応義塾大学医学部内科
pp.166
発行日 1975年2月15日
Published Date 1975/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404202728
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前回は肺動脈模入圧(PCW)が急性心筋硬塞(AMI)の病態の把握,従って治療および予後判定の直接的な指標として重要であることを説明した。しかしPCWをえるためには簡便とはいえ右心カテーテル法を必要としどこの施設でも可能というわけにはいかない。そこで今回は胸部X線写真(X-p)とPCWとの関係(shock例は除く)について述べてみたい。
まずAMIにおいてX-pに認められる左心不全所見を表1に整理してみた。ただし急性期の患者ではポータブル写真とならざるをえないために焦点とフィルム間の距離が短縮されてしまったり,患者の体位や呼吸位が症例によりある程度異なってしまう上に腹背方向撮影となるなどの条件のために心陰影の計測や肺静脈うっ血の判定が困難となることを念頭におく必要がある。
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