呼と循ゼミナール
圧測定について
谷口 興一
1
1東京医科歯科大学第2内科
pp.852
発行日 1974年11月15日
Published Date 1974/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404202688
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流れの状態を決定する三大要素はpressureと流れの速度と方向であり,これは血流にも当然あてはまることである。曲がった管内の流れやその他複雑な流動をなしている流れ,つまり三次元的な流れにおいて,pressureおよび流れの速度と方向を測定することは,その流れの性状を把握する上に重要なことである。流体力学における三次元の流れは,その流れの中にx,y,z座標を考え,3方向の流れの成分をいうことになるが,三次元流れの数学的な処理は複雑であるから,簡便にするため,z方向にある幅ないしは厚みを有する二次元の流れと見なすこともできる。流れの物理的測定法はPitot衝撃管,Venturi管,Orifice管あるいはNozzle管などが用いられる。三次元的な流れの測定は,厳密にいうとなかなか難かしく,物理的方法においてはVan der Haage Zijnenの球型Pitot管,伊藤の特殊形状(屈曲形) Pi—tot衝撃管の特性曲線を利用した方法がある。Pitot管の原理は流体エネルギーの立場から導かれたBernoulliの定理に立脚したものであり,流れのある一点における静圧,流れの速度と方向を同時に測定できるという点できわめて優れた方法である。Cournand, Aの発表以来,心臓血管カテーテル法が著しく進歩し,今日では広く臨床に応用され,またエレクトロニクスの進歩に伴ない,電気的変換器を用いた心血管内圧の測定が専ぱら行なわれている。
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