運動負荷時の生理学的死腔と死腔換気率

Effect of Exercise on Physiological Dead Space and Physiological Dead Space-Tidal Volume Ratio

　運動負荷は安静時には得ることのできない情報を検討できる手段として注目されている。しかし運動負荷時の病態生理については未だ十分解明されたとはいえず，今後に残された課題が多い。

　さて，運動負荷時の死腔の変動は古くから検討されてきたテーマであるが，佐島カンファレンス^1）の討論にもみられるように，さらに議論の余地を残している。一方，著者らはすでに"肺線維症"症例を対象に運動負荷を行い，病変の進展に伴い死腔換気率がそれを反映した動きをとることを報告した^2）。

The changes of physiological dead space and physiological dead space-tidal volume ratio were investigated during physical exercise. Treadmill exercise was performed for 5 min. (grade ; 10%, speed ; 30 m/min.) in 53 healthy subjects, in 45 pneumoconiosis patients and in 23 fibrosing lung disease (FLD) patients.