Japanese
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特集 血流
循環のレオロジーに関する物理的諸問題
Physics of Rheology of the Circulation
岡 小天
1
Syoten Oka
1
1慶応義塾大学物理学教室
1Department of Physics, Keio University
pp.15-23
発行日 1972年1月15日
Published Date 1972/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404202341
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Ⅰ.複雑な血管系
血液の循環は非常に複雑な血管系を含むので,系全体としての挙動をレオロジー的にとらえることはむずかしい。循環系の一部または全体のシミュレーションでは,多くの場合血液のレオロジー的性質が無視されている。
動脈系では,血液を均一なニュートン流体とみなし,血管の粘弾性を考慮に入れたモデルがよく用いられているが,これで実験結果はかなりよく説明できる。血管壁の内面の粗さの影響はおそらく小さくて無視できるであろう。血管の狭窄,屈曲,分岐の影響はまだ詳しく分っておらず,ふつうは無視されている。
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