Japanese
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綜説
レオロジーより見た微小循環の最近の諸問題
SOME RECENT RHEOLOGICAL ASPECTS OF MICROCIRCULATION
岡 小天
1
Syoten OKA
1
1杏林大学医学部生理学教室
1Department of Physiology, Kyorin University School of Medicine
pp.503-505
発行日 1976年7月1日
Published Date 1976/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412201603
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1.微小循環におけるレオロジーの重要性
物質の変形,流動に関する科学としてのレオロジーRheologyが誕生してからすでに半世紀近くの歳月が流れた.血液はふつうの流体と著しく異なつた流動特性を示すので,血液の循環を論ずる限りレオロジーが必要となるが,微小循環において特に然りである.
微小循環ではレイノルズ数Re=ρUD/η(ρ:密度,D:管の直径,U:断面上の平均流速,η:粘度)は1に比べて十分小さい.たとえばイヌの場合,細動脈,毛細血管,細静脈のReはそれぞれ0.02,0.002,0.007である.このことは微小循環では血液の粘性効果は慣性効果に比して無視できないことを意味する.微小循環では,粘性効果により動脈内の拍動流はほぼ消えて,定常流とみなされる.
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