Japanese
English
装置と方法
一回呼吸法による肺拡散能力測定における息こらえ時間の補正
Ideal Breath Holding Time in the Measurement of the Pulmonary Diffusing Capacity by Single Breath Method
望月 政司
1
Masaji Mochizuki
1
1北海道大学応用電気研究所
1Institute of Applied Electricity, Hokkaido University
pp.975-978
発行日 1970年11月15日
Published Date 1970/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404202204
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はじめに
COガスを用いる肺拡散能力DLCOは肺における拡散障害の程度を示すために広く臨床で測定されている。この測定法の1つである1回呼吸法はM. Krogh1)によって1915年すでに創始されているが,1954年,Forsterら2)が試験用吸入ガスに混合したHeの稀釈され方から,息こらえ初期における肺胞気CO濃度を推定する方法を開発して以来,この方法が普及し,肺機能検査の項目に取り入れられてきた。1回呼吸法においてはDLCOは次式にしたがって評価される。
DLCO=(-60・VA/(Pb-47)・tb)1n(FACO0/FACO0)…………………(1)
ここで,VAは全肺胞気容積(STPD),tbは息こえ時間,FACO0およびFACOは息こらえ初期およびt秒後の肺胞気CO濃度を示す。一般に,息こらえ時間は吸入開始時から呼気採取時までとして計算している。しかしながら,換気障害のある被験者では吸入時間が延長することが多く,純粋の息こらえ時間の評価はかなり面倒になる。そこで理想的な息こらえ時間を求めるための補正の方法について著者ら3)は理論的な考察を進めてみた。
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