Japanese
English
原著
亜酸化窒素一回呼吸法による肺血流量の測定について
Measurement of Capillary Blood Flow by the Nitrous Oxide Single Breath Method.
白石 晃一郎
1
,
馬場 健児
1
,
尾形 和夫
1
,
後藤 溶三
1
,
柳原 寿男
1
,
萩原 昇
1
,
安田 忠彦
1
Koichiro Siroishi
1
1東北大学抗酸菌病研究所
1Research Institute for Tuberculosis and Leprosy, Tohoku University.
pp.479-483
発行日 1965年6月15日
Published Date 1965/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404201464
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I.はじめに
アセチレン,エチレン,亜酸化窒素等の血液への溶解度の高いガスを呼吸させて,心搏出量を測定しようとする試みは,まずKroughによってなされ,ついでGrollman等の反覆呼吸法による測定法1)が報告されてからは,この方法による心搏出量の測定に関して多くの報告がなされた2,3,4,5,6)。しかし,肺疾患患者のごとく肺内ガス分布障害のある場合には誤差が生ずること,血液の再循環を無視することにより低い値が得られることが知られてからは,ガス分析法上の問題もあり,その後発表されたCournand等の右心カテーテルによるFick法,Hamilton等による色素稀釈法が,心搏出量の測定法として専ら用いられている。
しかし,1959年Cander等7)は,Kroughの方法を更に改良してヘリウムと上記ガスのいづれか(アセチレンまたは亜酸化窒素)を同時吸入させることにより,ガス分布上の問題は避けうるとし,その混合ガスの一回呼吸法による正常人の測定値は従来の右心カテーテルによる方法とほぼ一致した成績が得られることを示し,同時に,肺組織量(肺胞気に接する肺実質の量)の測定の可能であることを述べている。
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