Japanese
English
ジュニアコース
一回呼吸法—(1)拡散能力
Single Breath Method:(1) Pulmonary Diffusing Capacity for Carbon Monoxide
西本 幸男
1
,
西田 修実
1
,
正木 純生
1
Yukio Nishimoto
1
,
Osami Nishida
1
,
Sumio Masaki
1
1広島大学医学部第二内科
12nd Department of Internal Medicine, School of Medicine, Hiroshima University
pp.143-151
発行日 1967年2月15日
Published Date 1967/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404201742
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- サイト内被引用 Cited by
はじめに
肺の基本的機能はいうまでもなくガス交換であり,そのガス交換は拡散という物理的現象によって行なわれる。このガス交換作用は人体においても測定できるようになり,肺機能の普及につれて,最近各所で拡散能力が測定できるようになった。しかしこの拡散能力は,いろいろの仮定に基づいた理論にしたがって求められているため,拡散能力を測定しても,その値がはたしてなにを示しているのか分らないという意見が最近みられるようになり,diffusing capacityという語を用いないで,「transfer factor」という方がよいのではないかと,Cotesを委員長とする委員会1)は述べている。また,肺内ガス不均等分布や換気血流分布の障害が存する場合にも拡散能力は低下するので,diffusing capacityの測定は単なる肺機能良否のscreening testにすぎないと極言する人2)もあるが,現にわれわれが臨床的に拡散能力を測定するにさいして,その測定法の長所短所をよく理解したうえで正確に測定を行なってその値を読むならば,single breath method, rebreathing methodなどは立派な検査法であると信じている。
Copyright © 1967, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.