Japanese
English
ジュニアコース
肺不全(3)—呼吸不全の対策
Pulmonary Insufficiency (3):Management of Respiratory Failure
西本 幸男
1
Yukio Nishimoto
1
1広島大学医学部第2内科学教室
12nd Department of Internal Medicine, School of Medicine, Hiroshima University
pp.133-137
発行日 1969年2月15日
Published Date 1969/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404201994
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Ⅰ.呼吸不全
肺の本質的機能であるガス交換が円滑に行なわれるために換気,肺循環,さらに肺胞部における換気血流分布や拡散などの要素が関係している。かかる要素のいずれかが障害されるとガス交換が円滑に行なわれなくなり,やがて血液ガスの異常をみるに至る。このような一連の状態は,一般にpulmonary insufficiency, respiratory failureなどと呼ばれているが,そのニュアンスは学者によりやや異なっているようである1)2)。またこれをどのように日本語に翻訳するかについても一定していないように思われる。したがってこの小文を草するに当り呼吸不全に対し,私なりの概念を明らかにしておきたい。
まず不全という用語についてであるが,機能障害と不全とは一応区別して,後者は血液ガスの異常を伴うものであるとしたい。また笹本教授2)は肺不全と呼吸不企とを明確に区別され,肺不全とは肺そのものに原因がある場合であるとし,呼吸不全とは肺不全のほか,脳卒中などのように肺そのものには原因はないが,呼吸中枢に異常があって,そのため換気が抑制され,さらに血液ガスの異常をきたすような場合も含めたものとしておられる。著者もこれに賛意を表したい。
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