巻頭言
呼吸不全に対する根本対策を
仲田 祐
1
1東北大学抗酸菌病研究所外科学部門
pp.95
発行日 1976年2月15日
Published Date 1976/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404202859
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呼吸循環の生理学的解明は微に入り,細にわたり進歩し,より分化したが,呼吸不全患者あるいは呼吸困難患者を取りあつかうにあたってどれだけの新しい治療法が確立されたか背筋が寒くなるのは私のみではなかろう。
呼吸不全の用語に関しては,なお混乱のある所であるが,主に肺機能障害により,生体が正常な機能を営みえなくなった状態と規定したい。この障害のために発生するPao2, Paco2の異常な値は,肺生理学的には,肺胞低換気,シャント増加,換気血流比の不均等,拡散障害あるいはこれらの不均等として表現されるが,定性的考察にすぎないうらみがある。定量的思考が少ないと,これ以上の進歩は難かしくなるわけである。
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