Japanese
English
装置と方法
心臓ファイバースコープ
Cardiac Fiberscope
杉江 三郎
1
,
田辺 達三
1
,
川上 敏晃
1
,
町田 荘一郎
1
Saburo Sugie
1
,
Tatsuzo Tanabe
1
,
Toshiaki Kawakami
1
,
Soichiro Machida
1
1北海道大学医学部第2外科学教室
1The 2nd Surgical Department, Hokkaido University, School of Medicine
pp.121-124
発行日 1969年2月15日
Published Date 1969/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404201993
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はじめに
心臓外科においてはその治療成績を向上させるため,つねに正確な術前の診断にもとづく適応の選択が要求されている。このため,今日では心臓カテーテル法や血管心臓造影法などの特殊検査法がきわめて有効であるが,ときには診断が困難な症例も経験されている。比較的簡単に心臓内の病変を直接観察できれば,種々な心疾患の診断に有力な検索法となしうるはかりではなく,さらに多くの未解決の問題を残している循環メカニズムの解明にも応用できるので,心臓内視についての研究は大きい意義をもっている。
心臓内視鏡の研究はRhea & Walker (1913年)の作製による内視鏡を応用したCutlerら(1924年),Ailenら(1922年,1924年)の報告以来,心臓外科の草創期からみられ,Brock, Bailey, Harkenら著名な心臓外科医の報告があり,本邦でも榊原享,榊原任教授らの発表がある。しかしいずれも硬い金属性の内視鏡を開胸手術下に用いたもので,診断法としてよりも手術のための補助手段として応用された。診断の目的で非開胸下に末梢血管から柔軟性の内視鏡を挿入する研究は比較的新しく,とくにファイバースコープの検討がすすむにつれ,その循環器に対する応用が注目されるにいたった。われわれは過去2年間,この方面の研究をとりあげ,一応実用できるまでにいたりているので,その装置と方法について簡単に報告する。
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