Japanese
English
特集 InsufficiencyとFailure (呼吸・循環機能を中心とした概念について)
肺不全と呼吸不全
Pulmonary Failure and Respiratory Insufficency
笹本 浩
1
,
横山 哲朗
1
Hiroshi Sasamoto
1
,
Tetsuro Yokoyama
1
1慶応義塾大学医学部内科学教室
1Department of Medicine, School of Medicine, Keio University
pp.4-7
発行日 1969年1月15日
Published Date 1969/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404201975
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Ⅰ.不全とは? その問題点
本論に入る前に問題点の所在を明らかにしておくべきであろう。そもそも"不全"という表現に混乱がおこり勝ちである根本の理由は,外国語,とくに英米語ならびに独語のinsufficiency (Insuffizienz)あるいはfailure(Fehler)のもつ言葉の概念または"ニュアンス"に明確さを欠くことに端を発しているのではないかと思われる。そして呼吸の分野では"pulmonary (またはlung)"あるいは"respiratory"という形容詞の使いわけが理解を一層わずちわしいものにしてしまったようである。
われわれは,このような事情にかんがみてまず外国の研究者あるいは臨床家が,これらの用語をどのように定義し,どのように使いわけているかを文献的にしらべ,また機会を利用して直接質問してみたが残念ながら的確な結論を得ることができなかった。むしろ相当数にのぼる人達は,これらの用語を確然と区別して使いわけているとは限らないような印象すら受けた。
したがって,本稿で述べる内容も,決定的なものではありえず,われわれの提案として受け取っていただきたい。
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