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特集 呼吸機能障害
第17回日本医学会総会・44シンポジウムより
局所性呼吸機能障害
Impairment of Regional Pulmonary Function
金上 晴夫
1
,
永島 暉也
1
,
桂 敏樹
1
Haruo Kanagami
1
,
Teruya Nagashima
1
,
Toshiki Katsura
1
1国立がんセンター
1National Cancer Center
pp.773-779
発行日 1967年9月15日
Published Date 1967/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404201817
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はじめに
われわれが今日肺機能障害の有無,程度を知る場合には,一般にoverallの肺機能を測定して,その成績から肺機能障害の有無,性質,程度を判定している。もちろん,肺結核,肺炎,肺癌など局所性病巣を示す肺実質性の疾患では,これらの患者にみられる肺機能障害は,主として胸部X線写真にみられる局所の病巣に由来するものと考えてまず差し支えない。
しかしこのような場合でも,病巣のみられる局所とその周辺部がそれぞれどの程度にこの患者の機能障害に関与しているかという点については,このoverallの肺機能検査では十分な資料を得ることはできない。まして,びまん性の病変を示す肺線維症や慢性肺気腫などでは,どの部位がとの程度に優位に機能障害に関与しているかという点については,ほとんど推定の域を脱しえない。すなわち,このような症例では,overallの肺機能検査は,各部位の機能障害の平均化された結果として把握できるにすぎない。
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