Japanese
English
ジュニアコース
DM・VCのはかりかた
The Measurement of the Membrane Diffusing Capacity and Capillary Blood Volume.
金上 晴夫
1
,
桂 敏樹
1
,
永島 暉也
1
Haruo Kanagami
1
,
Toshiki Katsura
1
,
Teruya Nagashima
1
1国立がんセンター内科
1Dept. of Internal Medicine, National Cancer Center Hospital.
pp.217-224
発行日 1965年3月15日
Published Date 1965/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404201427
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
I.拡散とくにVM・DCの概念
肺胞毛細管膜を通して,肺胞ガスと肺毛細管血の間で行なわれるO2・CO2ガス交換は,拡散という物理的現象によっていとなまれる。しかし,CO2は肺胞毛細管膜の主成分である食塩水にO2の約24倍溶解しやすく,拡散が20倍大きいため臨床的に問題になるのは酸素の拡散である。酸素は肺胞膜,間質液,毛細管膜,血漿,赤血球膜から構成される一連の隔壁を通り,最後にHbと化学的に結合してHbO2を作る。したがって拡散は肺胞毛管膜の厚さ・透過性・有効拡散面積などの膜因子だけでなく,血漿,赤血球膜,赤血球内拡散速度,酸素とHbとの化学反応速度・肺毛細管血量などの赤血球因子によっても影響をうける。拡散の測定には1915年M.Krogh1)の発表いらいHbと大きな結合力を有する一酸化炭素が用いられ,一酸化炭素肺拡散能力(carbon mono—xide pulmonary diffusing capacity,DLco)は次式であらわされる。
DLco=Vco/PAco-PCco
ここでVcoは1分間に摂取されるCOの量(cc/min),PAcoはCOの平均肺胞気分圧(mmHg),PCcoはCOの平均肺毛細管血分圧(mmHg)を示す。故に一酸化炭素肺拡散能力は,肺胞毛細管膜を通して肺胞し細管血CO分圧差1mmHgあたり単位時間に通過しうるCOの量で,単位はcc/min/mmHgであらわされる。
Copyright © 1965, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.