Japanese
English
診療指針
A・Cブロック症候群
Alveolar-capillary Block Syndrome.
金上 晴夫
1
,
桂 敏樹
1
,
仁井谷 久暢
1
,
鈴木 明
1
,
永島 暉也
1
Haruo Kanagami
1
,
Toshiki Katsura
1
,
Hisanobu Niitani
1
,
Akira Suzuki
1
,
Teruya Nagashima
1
1国立がんセンター内科
1National Cancer Center.
pp.110-116
発行日 1965年2月15日
Published Date 1965/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404201413
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はじめに
肺胞毛細管ブロック症候群(A・Cブロック症候群)は肺胞膜におけるガス拡散障害を主徴とする疾患につけられたもので,この病名は本症候群の特長を極めて明快に表現している。
さて本症候群は1951年Austrian,McClement,Renzetti,Donald,RileyおよびCournand1)によって命名されたものであるが,肺胞毛細管膜の病的変化が特殊な機能障害を呈するという考えは,かなり古くから指摘されている。すなわち,1922年Schjerning2)は"Grippe Pneumonie"におけるCyanosisは酸素拡散障害がその主要原因をなしているだろうということを報告しており,その後1932年から1935年の間にドイツ学派によって"Pneumonosis"と呼ぶ疾患群として肺胞毛細管膜の拡散障害をその主因とする肺疾患が報告されている。また1949年にはHamman3)およびRichが肺胞毛細管膜の線維性浸潤を特長とし呼吸困難および動脈血酸素飽和度の低下を主徴とする疾患を報告,1949年にはBaldwin4)らが種々のびまん性肺疾患について拡散障害を示唆する所見をのべている。
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