Japanese
English
原著
気管支拡張症の肺機能—特に肺内ガス分布を中心として
On the pulmonary function of bronchiectasis.:Chiefly from the point of the intrapulmonary gas distribution.
金上 晴夫
1
,
桂 敏樹
1
,
青沼 賢治
1
,
白石 晃一郎
1
,
馬場 健児
1
Haruo Kanagami
1
,
Toshiki Katsura
1
,
Kenji Aonuma
1
,
Shiroishi Koichiro
1
,
Baba Kenji
1
1東北大学抗酸菌病研究所
1The research Institute for Tuberculosis and Leprosy
pp.747-757
発行日 1959年8月15日
Published Date 1959/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404200805
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I.緒言
気管支拡張症の肺機能についてはこれまで多くの研究が行われ,換気障害,ガス分布障害の起ることが報告されている1)2)3)4)5)。気管支拡張症の病理解剖学的変化から考えても,換気障害,ガス分布障害の起ることは当然想像し得る所であり,諸論文も一致してこの事実を認めている。所が従来の報告では換気機能については可成の精細な研究が行われているが,肺内ガス分布についてはCournandのPulmonary Mixing Index(P.M.I.)6)の測定のみにとどまり,このIndexをもとにしてガス分布障害を論じているに過ぎない。われわれは先にHeを使用してFunctional Re—sidual Capacity(F.R.C.)を測定する際,肺内ヘリウム曲線を作成しこの曲線の形状や,ΔHe,Helium Mixing Index(H.M.I.),Equilibra—tion Timeなどの指標を用いて肺内ガス分布を研究する方法について発表したが7),本法は肺内ガス分布障害を知る上に極めて簡単で秀れた方法なので拡張症の場合にもこれを応用して,上記P.M.I.も共に測定し気管支拡張症の肺内ガス分布の検討を行つた。又その他従来の研究ではとりあげられなかつた次の三項目を研究目的として種々の検討を行つた。即ち
(1)気管支拡張症の換気機能障害,特にヘリウ ムによる肺内ガス分布障害の検討
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