Japanese
English
綜説
「肺胞毛細管ブロック症候群」について
On the "Alveolar-Capillary-Block Syndrome"
金上 晴夫
1
,
桂 敏樹
1
,
青沼 賢治
1
,
白石 晃一郎
1
,
馬場 健児
1
Haruo Kanagami
1
,
Toshiki Katsura
1
,
Kenji Aonuma
1
,
Koichiro Shiroishi
1
,
Kenji Baba
1
1東北大学抗酸菌研究所
1The Research Institute for Tuberculosis and Leprosy
pp.528-537
発行日 1959年6月15日
Published Date 1959/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404200777
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I.緒言 肺胞毛細管膜の瀰漫性な変化が或る肺疾患では重要な所見である事が古くから指摘されていた。すでに1922年にはSchjerning5)は"Grippe Pneumonia"に於けるCyanosisは酸素拡散過程の障害がその主要な原因となっているのだろうという事を報告し,その後1932年から1935年の間にドイツ学派によって"Pneumonosis"6)と呼ぶ疾患群として肺胞毛細管膜の拡散障害をその主因とする肺疾患を報告している。1944年Hamman及びRich7)は肺胞毛細管膜の線維性浸潤を特徴とし呼吸困難及び動脈血の著明な不飽和を主徴とする疾患を報告し,1949年Baldwin9)等は,又同年Wright10)等は肺線維症について臨床的生理学的所見を報告している。そして1951年Aus—trian1)等は始めて"alveolar-capillary block"なる名称のもとに,12例についてその臨床的並びに生理学的特徴を詳述し,1)レ線写真上の瀰漫性の微細な肺実質の陰影。2)進行性呼吸困難。3)運動時の呼吸促迫。
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