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はじめに
換気ならびに肺血流分布が肺の局所によって異なるであろうという見方はかなり以前よりもたれていた。即ち1887年Johannes Orth1)は,立位にすると肺尖部は肺底部に比べて容易に貧血を起こし,これは主として肺の血液量の重力的な差によるものであろうと考えた。その後この事実を確めようとする多くの研究が行なわれている。即ちMartin2)らは上葉はは下葉に比べてガス交換率が高いことを報告し,Mattson & Carknce3)は右上葉の酸素摂取量は右肺の残りの部分の酸素摂取量より少ないことをみとめ,Rahn4)らは犬の肺で肺尖部はventi—lation-perfusion ratioが高いことをそれぞれ報告している。これらの成績はいずれも肺の上葉の血液分布が下葉に比べて乏しいことを示している。しかしこれらの成績はいずれも挿管という非生理学的な状態での測定のために過剰換気や不安その他の因子による肺血流量の増加等の影響をうけやすい。したがって,肺局所の機能を生理学的に安定した状態で測定する方法が待望されていた。1955年,Knipping5)らによる放射性同位元素の導入によって肺内の生理学的変化を体外計測的に測定出来るようになり肺局所の機能は生理学的に安定した状態で容易にかつ正確に測定出来るようになった。
Concerning the measurement of the regional pulmonary function by radioactive xenon, the history, methods, management of data, re-gional pulmonary function in normal subjects and patients with various cardio-pulmonary diseases, and its clinical meaning are reviewed.
Our new method to measure the efficiency of alveolar ventilation in the various pulmo-nary regions and regional residual capacity/regional total lung capacity ratie aro described.
The method to measure the regional pul-monary function by the radioactive xenon is quite useful to study the pathophysiologic state in patients with cardio-pulmonary diseases.
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