Japanese
English
診療指針
抗不正拍剤
Antiarrhythmic Drugs.
三橋 駿一
1
,
道場 信孝
1
Shunichi Mitsuhashi
1
,
Nobutaka Doba
1
1千葉大学医学部第2内科
1The 2nd Dept. of Internal Medicine, School of Medicine, Chiba University.
pp.118-125
発行日 1965年2月15日
Published Date 1965/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404201414
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I.はしがき
最近,不正拍(日内用語による)にたいし電撃療法が行なわれるようになり,その効果が注目されてきた。しかし,電撃療法後の尋常調律を維持するには抗不正拍薬がいぜん用いられており,さらに,この治療法によって,より有効・安全な薬物の探索すら進められる可能性が大きく,抗不正拍薬の必要性は決して減っていない1)。
ところで,今日まで,抗不正拍薬として用いられてきたquinidine, procaine amideの発見をふりかえってみると,いずれも薬理学的な研究の所産ではなく,前者は別の目的で臨床的に用いたさい偶然に抗不正拍作用が発見され,また,後者は,実験的に同程度の抗不正拍作用を証明されたいくつかの薬物の臨床試験の結果,選び出されたものである2)。抗不正拍薬の薬効には,かように臨床面と動物実験とで大きな差があり,しかも,臨床面では,うっ血性心不全にたいする心配糖体の作用に似たいくつかの問題が提起されている。一方,抗不正拍薬の薬理についても,現在,発展しつつある微小電極による研究3)などから多くの知見がえられている。
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