Japanese
English
装置と方法
アストラップ微量血液分析装置—(1)理論篇
Astrup Micro-Method :(1) Theoretical Consideration
藤原 孝憲
1
Takanori Fujihara
1
1東京大学医学部麻酔科
1Dept. of Anesthesiology, Faculty of Medicine, University of Tokyo.
pp.127-132
発行日 1965年2月15日
Published Date 1965/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404201415
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はじめに
体液の酸,塩基平衡に関して,Henderson1)は質量作用の法則を導入した重要な式を,Sφren—sen2)は酸度を数量化するpHの概念を,更に,Hasselbalch3)はこれらを統合した有名なHen—derson-Hasselbalchの式をもたらし,酸・塩基平衡の基礎をきずきあげた。酸(acid)および塩基(base)の定義に関してはArrhenius4),Brφn—sted5),Lewis6),Lowry7)その他いろいろの説が発表された。今日一般に認められているBrφn—stedの説はacidをH+ donor, baseをH+acceptorと考えるH+の一元論である。しかし他方では体液電解質を論ずる場合に,陽イオンをbase,陰イオンをacidと呼んだ時代があった。Henderson1)は彼の血中電解質,緩衝糸に関する研究報告の中で,陽イオンをbase,陰イオンをacidと呼び,血漿電解質中の総陽イオン濃度と総陰イオン濃度とが等しいことを,陰・陽イオン平衡とは呼ばないで,酸・塩基平衡と呼んでしまった。ここにBrφnstedの概念と矛盾した概念を世に送ってしまった。
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