Japanese
English
方法と装置
家兎の右心カテーテル法について
Right Heart Catheterization in Rabbits.
片桐 鎮夫
1,2
,
岡井 隆
3
,
黒河 輝久
3
,
村江 久忠
3
,
星 匡
4
Shizuo Katagiri
1,2
,
Takashi Okai
3
,
Teruhisa Kurokawa
3
,
Hisatada Murae
3
,
Tadashi Hoshi
4
1慶応義塾大学医学部内科
2北里研究所附属病院臨床生理部
3北里研究所附属病院
4陸上自衛隊衛生学校
1School of Medicine, Keio University
2Clinical Physiology Department, Kitasato Institute Hospital.
3Kitasato Institute Hospital.
4Japan Grand Self Defence Force
pp.577-581
発行日 1964年8月15日
Published Date 1964/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404201350
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はじめに
1922年Forsmannに始まりCournand及びその協同研究者1)によつて右心カテーテル法が完成されて以来,多くの肺循環器系に関する研究が行われて来た。しかし心肺機能及び肺循環に関する研究では不可欠とも云えるこの右心カテーテル法は動物実験に関する限り,ほとんど犬に限られ,それ以下の小動物には行われていないのである。その理由は小動物の心臓内にカテーテルを入れることの困難性によるものである。ところで我々2)の今迄に行なつて来た実験的研究の如く,我国の成犬の殆んどにフィラリヤが寄生し,特に肺動脈系の病理学的所見を不確実にするために,肺循環系の慢性変化を研究する実験動物として犬は不適当な面があることを知つた。そこで我々は家兎に右心カテーテルを行う必要を感じ,その工夫を行なつて来た結果,右心カテーテル法により家兎の正常の生理学的データを得ることに成功したのである。心臓カテーテル法による家兎の肺動脈圧,wedge圧,心拍出量,肺血量等の測定は,内外を通じてはじめて成功したものである。
家兎における右心カテーテル法は,その原理及び方法については何らCournand等の方法と変りないが,使用するカテーテル自体が我々の工夫による独自のものである。
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