Japanese
English
原著
正常家兎の気管支動脈について—主としてMicroangiographyによる研究
On the bronchial artery of the normal rabbit, a microangiographic study.
岡井 隆
1
Takashi Okai
1
1北里研究所附属病院
1Kitasato Institute Hospital
pp.751-757
発行日 1960年10月15日
Published Date 1960/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404200931
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I.まえがき
近年,病的条件下における肺の,肺循環系と気管支循環系の関係が注目されるにいたり,とくにその際,気管支動脈が演ずる役割について,多くの臨床的ならびに実験的研究が行われて来ている1)2)3)4)。ところで,これらの実験的研究にあたつては,当然,実験動物の気管支動脈の局所解剖学的知識が要求される。犬の気管支動脈については,Notkovich5)の分類をはじめとして,比較的詳細な記載がみられるが,これにくらべて,家兎の気管支動脈については記載が少く,わずかに,Verloop6),青木4),中村3)らが,その起始について,右鎖骨下動脈から出ているものが多いといつているに過ぎない。又,最近の井上7)の報告では,左右の内胸動脈から各々1本ずつ出ているものが多いとされており,Verloopらの意見と相異するなど,尚定説を見ない。
著者は,Microangiography8)を正常家兎の気管支動脈に応用して,その起始・走行・分布等につき知見をえたので報告する。
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