Japanese
English
原著
無気肺家兎の気管支動脈について—主としてMicroangiographyによる研究
On the bronchial artery in the experimental atelectasis of rabbit, a microangiographic study.
岡井 隆
1
Takashi Okai
1
1北里研究所附属病院
1Kitasato Institute Hospital.
pp.815-825
発行日 1960年11月15日
Published Date 1960/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404200936
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
I.まえがき
病的条件下の肺において,機能血管である肺血管系と,栄養血管と見傲される気管支血管系の関係はどのように変化するか,又,その変化はどのような機転によるものであるか,という問題は,Virchow1)以来,数多くの臨床家ならびに研究者たちの注目するところとなり,その解明のために,多くの業績が重ねられて来た。これを近年に限つても,欧米では,Miller2), v. Hayek3), Liebow4)らの研究をはじめとして多くの臨床的ならびに実験的研究が行われており,わが国でも,最近この方面への関心がたかまると共に,長石5),中村6),青木7)らの業績をはじめとして,いくつか報告がなされている。これら諸家の成績は,大凡の傾向において一致しているが,尚,細かい点になると相反する結果もあり,見解の対立も少くない現状である。
著者は,前報8)において,正常家兎の気管支動脈にMicroangiographyを行い,その起始・走行・分布等につきしらべ,いくらかの知見を得たが,なかでも,肺動脈と前毛細管吻合をもつてつながる気管支動脈肋膜枝の存在は特異なものであつた。
Copyright © 1960, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.