Japanese
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ジュニアコース
酸塩基平衡について(2)
On the Acid-base Balance.(2)
斎藤 幸一郎
1
Koichiro Saito
1
1金沢大学医学部第1生理学教室
1The 1st Department of Physiology, School of Medicine, Kanazawa University.
pp.423-431
発行日 1964年6月15日
Published Date 1964/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404201328
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IX.酸塩基平衡異常
体液の酸または塩基の含有量が変化し,両者の間の平衡が異常になつた状態を酸塩基平衡異常(Acid-base disturbance)という。酸が比較的過剰になつた状態をAcidosis,塩基の過剰に偏した状態をAlkalosisといい,前者では体液や血液のpHの低下を,後者では上昇を伴う。
実際にわれわれが遭遇する酸塩基平衡異常は,単一の酸又は塩基の増減によるものではなく,多くの酸や塩基の濃度に変化が認められる。これを一つ一つの要因に分析すれば,あるものはacidoticであり,あるものは,alkaloticであり,これら諸要因の効果の総和が体液(血液)pHの変化として現われている。そこで血液pHの低下をAcidemia,増大をAlkalemiaといい,平衡異常を構成する要因をAcidosis或はAlkalosisということがある。
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