Japanese
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診療指針
酸・塩基平衡
Acid-base balance
笹本 浩
1
,
楊 俊哲
1
1慶応義塾大学医学部内科教室
pp.477-486
発行日 1961年7月15日
Published Date 1961/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404201003
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I.緒言
生物ことに人間のような高等動物は,ある限られた範囲の環境内においてのみ生存し得る。従つて体外環境の変化,体内の生理的,病的変動に対し体液の恒常性を保つべく,あらゆる調節機構が動員され,もつて生体の安全に資する。
体液の代表として最も採取し易く,しかも全身に普遍的に分布している血液について,そのpHをみると,正常では弱アルカリ性(pH=7.40)で,その生理的動揺範囲はきわめて狭い。 この範囲を逸脱した場合,恒常性維持機構に欠陥があれば酸・塩基平衡が乱れ,生命の危険が招来される。また各臓器内代謝における諸化学反応には一定の至適pHがあり,酸・塩基平衡障害下においては生理的諸代謝に支障をきたす。酸・塩基平衡の重要なゆえんである。
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