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特集 酸・塩基平衡
綜説
酸・塩基平衡の生理学的調節機序
Physiological Regulatory Mechanisms of Acid-Base Balance
斎藤 幸一郎
1
Koichiro Saito
1
1金沢大学医学部第一生理
11st Department of Physiology, School of Medicine, Kanazawa University
pp.193-203
発行日 1967年3月15日
Published Date 1967/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404201748
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はじめに
ヒトが24時間に産生するCO2は15〜20mol,そのほか硫酸や燐酸などの不揮発性の酸は約80mEgに達する。また異常な条件のもとでは,乳酸やケト酸が大量につくられる。それにもかかわらず,体液の水素イオン濃度(cH)はつねに一定の水準に保たれている。体外から酸やアルカリが導入される場合にも,体液のcHの変動は大きくならない。
体液cHの恒常性は,組織の酵素作用,体液区分のイオン分布などを正常に維持し,ひいては生体紺織細胞の機能を正常に運営するうえに緊要の条件である.体液のcHの恒常性保持には細胞内,外液の緩衡能ばかりでなく,呼吸や尿産生能がこれに関与しているから,これらを総合的に考えてみたい。
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