Practical Postgraduate Seminar・10
酸・塩基平衡の理解
斉藤 滋
1
,
相馬 智
1
1杏林大学医学部第1外科
pp.260-267
発行日 1978年2月20日
Published Date 1978/2/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407206902
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はじめに
酸・塩基に関して理解し難い原因の一つは「明確な定義」と「分類上の命名法」の混乱にあるとAstrupは指摘している.そこでNew York Academy of ScienceのAd Hoc委員会は,検討をかさね考え方や術語の使い方を整理して1966年に発表した.今日これが広く受け入れられている.
酸塩基平衡(acid-base balance or equilibrium)という言葉を使用したのはHenderson L.J.(1909)が最初である.彼は血漿中の陽イオン(cation,当時はbaseforming or basylous element)濃度の総和と陰イオン(anion,当時はacid formng or acidulous element)濃度の総和が相等いことを認め,これに対して酸塩基平衡とよんだわけである.
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