Japanese
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ジュニアコース
酸塩基平衡について(1)
On the Acid-base Balance.(1)
斎藤 幸一郎
1
Koichiro Saito
1
1金沢大学医学部第1生理学教室
1The 1st Department of Physiology, School of Medicine, Kanazawa University.
pp.365-372
発行日 1964年5月15日
Published Date 1964/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404201321
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いとぐち
体液の反応は,これに含くまれる酸と塩基の量的関係によつてさだまる。体液を大別すると細胞内液と細胞外液とに分けられるが,細胞内液の反応は今日のところ,一般には正確にけ分つていない。これに反し,細胞外液では血漿と組織液が毛細血管壁を通して活発に交流しているから,血漿の反応をもつて全身の細胞外液の反応の平均を表わすものと考えることができ,これを正確に測定することができる。
細胞外液は組織細胞にとつては直接接触する環境——内環境——であるから,その反応が細胞の物質代謝や機能に大きな影響を与えることは言うまでもない。細胞外液の反応の恒常性は,生体の機能の恒常性を維持する上に緊要な条件である。
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