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文献抄録
先天的の大葉性肺気腫—Campbell, D ; Bauer, A. J. ; Hewlett T. H. : J. Thor. Cardiovasc. Surg. 41(5) : 575-586, May 1961./IPPRと胸腔内圧—Opie, L. H. ; Spalding, J. M. K. & Smith A. C. : Lancet 7183 : 911-915, April 29. 1961.
Congenital localized emphysema/Intrathoracic pressure during interveiltent positive pressure respiration
pp.759,765
発行日 1962年11月15日
Published Date 1962/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404201151
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新生児の他に原囚のない呼吸障害に,先天的大葉性肺気腫がある。小児期・青年期には少い。著者は3例を記載した。さて本症は気管支軟骨。軟かいこと・軟化・欠損・形成不全などがあり,気管支が異常に軟かく空気が自由にいくらでも入り,他方呼気で出て行かないのが原因と思われる。その他の気管支。細気管支異常のあることもあり,また先天的心奇形・縦隔奇型・胸廓奇形を伴うこともある。開胸すると手術野から罹患葉がヘルニア状にとび出す。気管支をさわるとグニヤグニヤ。肺はgelfoam様。肺胞拡大し互に融合し,または破裂少くない。ふつう中葉に多く(1/3),ついで左上,右上,右下葉の順。新生児の原因を他に見出しえない呼吸障害の75%は本症。努力した呼吸・喘鳴・セキ・チアノーゼ等あり,しかし炎症症状なし。その部の呼吸音弱い。縦隔の健側移動。罹患葉の拡大と周囲圧迫。それで調和するのは容易でないから,手術しない限り生命が危険である。稀には小児期まで高度障害なしにすごしうるものがある。発育障害・息切れ・気道感染に弱い等がふつうに見られる。上述のところから診断はむずかしくない。ことにレ線像が有効。小児期では気管支造影などもよい。唯一の有効な治療は罹患葉切除である。
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