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文献抄録
脳血管閉塞の臨床像—Millikan, C. H. J. Siekert, R. G. & Whisnant, F. P. Circulation 22(5):1002-1010, Nov. 1960/心筋の代謝—Lüthy, E. Hegglin, R. Dtsch. med. Wschr. 86(1):9-14, Jan.6, 1961.
The clinical pattern in certain types of occlusive cerebrovascular disease./Der Myoleardstoffwechsel, seine Störungen und die Möglichkeiten Therapeutischer Beeinflussung
pp.321,327
発行日 1961年5月15日
Published Date 1961/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404200980
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- Abstract 文献概要
頸動脈系の閉塞と脊椎脳底動脈系の閉塞とに二大別する。何れも脳外の動脈硬化性の節状狭窄が注目されて来たが,実は脳内外何れの部にも,また一個所のみならず発生しうるものである。臨床症状を病態生理に結びつけ3段階にわかつ。現在は間歇的な動脈系不全にすぎないが,必ず近いうちに重人な永久的の傷害を招くとおもわれる段階をimpend—ing(incipient)strokeとよぶ。血流の減少した脳部位に応ずる神経症状が5〜20分ほど発作的にあらわれる。こうした阻血発作が累積するとそれだけで脳細胞は永久的変化を招きうる。脊椎脳底動脈系では単麻痺・片麻痺などの発作,両側性の知覚障害・視野障害・複視・メマイ・嚥下障害・意識障害の発作など。これは全部揃うとは限らぬ。数個の症状で診断する,頸動脈系では1側性の筋力減退・知覚障害の既往,発語障害・岡側視力障害,剛側頸動脈搏動減少,同側網膜動脈圧低下など。これらの発作は動脈硬化に加えて,一過性低血圧・赤血球増多・外部からの該動脈圧迫屈曲・貧血・血栓・喫煙・血管収縮などが惹起因子となつている。もう少し進むとadvancing (progressing)strokeとなるので,阻血の程度時間が高度となり,だんだん永久的な傷害に変るので,血栓がつよくなつて閉塞が増悪し,副血行が不十分であり,かなり広い脳細胞機能が久損しているのである。
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