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講座
分時最大換気量—スパイログラムに基いた肺機能検査(2)
The maximum breathing capacity
笹本 浩
1
,
横山 哲朗
1
Hiroshi Sasamoto
1
,
Tetsuro Yokoyama
1
1慶応義塾大学医学部内科学教室
1Dept. of Internal Medicine, School of Medicine, Keio University.
pp.11-19
発行日 1958年1月15日
Published Date 1958/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404200578
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I.はじめに
近年肺機能検査が普及すると共に分時最大換気量maximum breathing capacityに関する研究も次第に多く見受けられるようになつてきたが,一面その測定装置,方法が統一されていないために若干の混乱がその評価にあたつておこりかねない状態にある。
分時最大換気量の測定は短時間とはいえ患者に苦痛をあたえるばかりでなく,患者が要領を会得出来ないとき,あるいは十分に協力しないときには正確な値が得られず,測定にも若干の技術を要するため,最近一部の研究者は分時最大換気量の生理学的意義を軽視し,時間肺活量をもつてこれに代えようという機運がある。しかし乍ら各種肺機能検査の最も単純化された形式と考えられるスパイログラムによつて肺機能障害を診断するにあたつて,若干の欠点を有するとはいい乍ら分時最大換気量の生理学的意義を無視することはできない。
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