Japanese
English
診療指針
結節性動脈周囲炎
Periarteriitis Nodosa
高安 正夫
1
,
藤原 正和
1
Masao Takayasu
1
,
Masakazu Fujiwara
1
1三重県立大学医学部
1School of Medicine, Mie University.
pp.21-28
発行日 1958年1月15日
Published Date 1958/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404200579
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結節性動脈周囲炎は1866年Kuβmaul & Maier1)が全身殊に内臓の小動脈外膜に小結節性炎症を来たす原因不明の疾患を報告したのに始まる。この病変は種々の内臓を犯して来る為に臨床像も非常に多彩で一定の所見がなく,且慢性ではあるが敗血症様で予後も不良,しかも根本的の治療法がみつからなかつたが,非常に稀であつた為にそれほど一般には注目されないで最近に至つた。ところがKlemperer2)が全身性紅斑性狼瘡の研究に於て,類似性を求めて鞏皮症,リウマチ熱,リウマチ性関節炎,結節性動脈周囲炎,皮膚筋炎と発展し,これを総括して膠原病(collagen disease)なる概念を1950年に発表した。一方サルファ剤その他化学療法の発達に伴いその使用が盛になると共にかえつてこれ等の疾病,或は敗血症様の疾病が増加の傾向を示し,これを壊死性血管炎としてまとめようとする試みも現れその概念は甚だしく複雑となり一般の注目をあびるに至つた。併し我が国における本疾患の症例報告は年々増加の傾向にあるが近々50例位のものであり,殊に病理解剖所見の詳細な報告は20例を出ない様である。最近では手塚及駒橋3),羽山4)等の詳細な臨床検査を伴つた病理解剖例の報告がある。
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