Japanese
English
診療指針
核酸系物質の臨床的応用
Clinical application of nucleic acib deriva tives.
王子 喜一
1
,
酒井 和夫
1
Kazuo SAKAI
1
,
Kiichi Oji
1
1大阪大学医学部吉田内科
1First Depertment of Internal Osaka University Medical School
pp.631-638
発行日 1955年10月15日
Published Date 1955/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404200291
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1.はしがき
蛋白,糖質,脂質の如き養素は勿論種々のビタミン,ホルモンの如き微量活性物質は其の生物学的意義が逸速く解明せられ,それらが生体に占める重要性が明にされている。然るに核酸に就ては既に算へ切れない程の多数の研究があるが,その化学方面研究の発展に比して生物学及治療学的方面の業績は未だその詳細を極めるに到らない。漸く1929年代に至つて生体内に於ける核酸並に核酸系物質の生理作用或はその代謝様相の一端が明かになつて来たものの,比較的詳細に研究されて来たのは最近の事である 即ち補酵素であるCo—enzyme Ⅰ(DPN) Co-enzyme Ⅱ(TPN)或はATP, Co-enzymeA, FAD, Vitamine L2,activeMethionine等の代謝活性体が核酸系物質に密接な関係を有する事が明かとされ,核酸代謝は愈々その重大性を増して来た。
核酸には周知の如くデソキシリボ核酸(DNA)とリボ核酸(RNA)があるが核酸の構成成分である4ツのヌクレオチツド即ちアデニール酸,グアニール酸,シチヂール酸,ウリヂール酸の生理作用は之を二つに大別して次の如き主な作用があるとしてしている人がある。
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