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講座
腎臟の血流・Ⅲ—腎臟の血管系
Renal blood flow・Ⅲ Renal blood supply.
上田 泰
1
,
宮原 正
1
Yasushi UEDA
1
,
Tadashi MIYAHARA
1
1東京慈恵会医科大学 上田内科
1Department of Ueda's Internal Medicine, Tokyo Jikeikai Medical College
pp.422-426
発行日 1955年7月15日
Published Date 1955/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404200258
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(Ⅴ)腎臓の血管系
腎臟の血管の状態が「腎臟の血流」に大きな影響を与えることは云うまでもない。
Bowman以来腎臟の血管構造は多くの学者によつて研究され,その複雑さは他の臟器に比較しても類を見ない程であり,今日なお不明の点も少くないが,一般には次に述べるような構造を有するものと考えられていた。即ち腎動脈は腎門に入つた後,腹側及び背側の動脈に分岐し,次いで葉間動脈,弓状動脈,小葉間動脈と順次細分し,この小葉間動脈より多数の短い小枝即ち輸入管が出て糸球体に注ぐ。糸球体毛細管網は吻合を作らずに再び集つて輸出管となり,輸出管は始めて皮質の毛細管に細分し,中枢側並びに末梢側尿細管の周囲に網眼を形成し,これが小葉間静脈に移行する。又髄質へは真直ぐなVasa rectaが皮質の毛細管,弓状動脈,小葉間動脈,輸出管などより発して細分し,網眼を形成した後に静脈側に移行する。
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