Japanese
English
講座
鑛質代謝・1
Mineral Metabolism.
吉利 和
1
Yawara YOSHITOSHI
1
1東京大学医学部田坂内科教室
1Department of Internal Medicine, School of Medicine, University of Tokyo
pp.427-431
発行日 1955年7月15日
Published Date 1955/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404200259
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
まえがき
鉱質代謝という名称は,主として無機物質の生体内での変動あるいは生物学的作用という意味で用いられているようで,たとえばCantarow and Schepartzの教科書1)などを見るとナトリウム,カリウム,クロール,硫黄,ヨード,マグネシウム,カルシウム,燐,鉄などについて記載されている。さいきんはしかし,とくにアメリカではミネラルという名称を何か独特な意味をもたせて使用する傾向もあり,とくに栄養学上の問題から,微量の無機物質の存在が,生体の生存上絶対に必要だということが強調されている。その中には上にあげたもののほかに,銅,マンガン,亜鉛,コバルト,ニツケル,硼素,ブローム,珪素,バナジウム,アルミニウム,ストロンチウム,弗素,セレニウム等が含まれているので,これらすべての代謝をのべることが鉱質代謝になるわけである。しかし,これらのうちには,必須かどうかもまだはつぎりしないものもあり,また体内での分布なり代謝なりは全然わかつていないものが多いし,栄養上わかつていても,代謝のわからないものもある。さらに著者の専門とするところも,ごく狭くて,これらすべてにわたる知識を持ち合せていない。
Copyright © 1955, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.