Japanese
English
原著
運動負荷による慢性肺気腫患者肺循環の変動並びに運動負荷試驗より見たる人工気腹療法の効果について
Changes on Pulmonary Circulation of Chronic Pulmonary Emphysema under Exercise Test and Effect of Artificial Pneumoperitoneal Treatment.
吉村 正治
1
,
村尾 誠
,
小原 常吉
,
河目 鐘治
,
百瀨 達也
,
岡野 正光
,
籏野 脩一
,
本田 一三
,
小林 太刀夫
Masaharu YOSHIMURA
1
1東京大学医学部美甘内科
1Department of Internal Medicine, School of Medicine, University of Tokyo
pp.356-361
発行日 1954年11月15日
Published Date 1954/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404200185
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慢性肺気腫患者に於ける肺機能の障害は,労作時の呼吸困難として訴えられる場合が最も一般的であるが,端的に言えば,この運動能力の減退は,慢性肺気腫患者の肺機能障害の程度に密接な関係があり,既にBaldwin1)等は運動負荷による動脈血O2飽和度及びCO2張力の変化を示標として,本疾患々者の肺機能障害の程度を分類した。然し乍ら,慢性肺気腫患者の換気機能若しくは肺循環の障害は,種々の因子によつて構成せられ,運動負荷に対応して変動する肺機能の動態的観察の成績は可成複雑である。
運動負荷による慢性肺気腫患者の肺機能,殊に肺循環の変動に関しては,著者等もその実験成績の一部を既に発表したが2),本疾患々者に一定の運動を負荷し,それによつて生ずる肺循環の変動を運動負荷直後及び一定時間後に観察することにより,その肺機能障害の程度を三群に分ち得,且つ,之等の患者に人工気腹療法(以下気腹療法と称す)を適用するに当り,此の分類によつて肺機能障害の様相を把握することは,可成重要な意義を有すると思われる。
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