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特集 CABGを科学する
両側内胸動脈はゴールドスタンダード! 科学的検証から
Bilateral Internal Thoracic Artery Grafting is a Gold Standard Strategy of Modern Coronary Bypass Surgery
木下 武
1
,
浅井 徹
1
Takeshi Kinoshita
1
,
Tohru Asai
1
1滋賀医科大学心臓血管外科
1Division of Cardiovascular Surgery, Shiga University of Medical Science
pp.1018-1026
発行日 2014年11月15日
Published Date 2014/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404200025
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はじめに
両側内胸動脈(bilateral internal thoracic artery;BITA)バイパスは,生命予後にまで影響力を持つほどの有効性が示されて久しい.それにもかかわらず,BITAの使用率は本邦では冠動脈バイパス手術(coronary artery bypass grafting;CABG)全体の30%,ヨーロッパでは10%,アメリカに至ってはわずか4%にすぎず,充分に普及しているとは言い難い1〜3).なぜか? 本稿では,内胸動脈(internal thoracic artery;ITA)がグラフト血管としての地位を確立し,両側内胸動脈バイパスの良好な成績が明らかになっていくまでの歴史的背景を述べた後,両側内胸動脈バイパスが術式として採用されにくい理由を検証し,最後にBITAの実力を最大限に発揮させるためにどうすればよいか考えてみたい.
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