増刊号 これから広がる生理検査・新たにはじまる生理検査
C 血管エコー法
5. 内胸動脈グラフト検査法
岡庭 裕貴
1
,
戸出 浩之
1
1群馬県立心臓血管センター技術部生理検査課
pp.1006-1010
発行日 2008年9月15日
Published Date 2008/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543102209
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はじめに
冠動脈バイパス手術(coronary artery bypass graft,CABG)におけるグラフトは,耐久性に優れ長期開存率が良好であることから内胸動脈(internal thoracic artery,ITA)や胃大網動脈が広く用いられている.なかでも内胸動脈は血流量も多く心臓からの距離が近いことから,グラフト使用の第1選択肢として用いられることが多い.通常内胸動脈の評価は心カテーテル検査による侵襲的な検査が一般的であるが,近年,超音波装置の進歩により,高周波プローブを用いれば内胸動脈の走行や血流速波形を容易に検出できるようになった.しかし,超音波検査で内胸動脈のグラフトの適正や開存性を評価することは,決して統一化され確立されているものではなく,必ずしも多くの施設で実施されている検査ではない.本稿では,当センターで行っている内胸動脈の術前後の評価方法1)を中心に解説する.
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