Japanese
English
特集 利尿薬をめぐる諸問題
利尿薬抵抗性の病態と対策
Pathophysiology of Diuretics Resistance
森 建文
1
,
大場 郁子
1
,
小泉 賢治
1
,
古庄 正英
1
,
伊藤 貞嘉
1
Takefumi Mori
1
,
Ikuko Oba
1
,
Kenji Koizumi
1
,
Masahide Furusho
1
,
Sadayoshi Ito
1
1東北大学大学院医学系研究科腎高血圧内分泌学分野
1Division of Nephrology, Endocrinology and Vascular Medicine, Tohoku University Graduate School of Medicine
pp.410-416
発行日 2014年5月15日
Published Date 2014/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404102465
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
はじめに
心腎不全の病態では体液貯留が進行し,利尿薬が必要となる.しかしながら,これらの病態ではしばしば利尿薬抵抗性がみられ,そのために高用量の利尿薬を必要とする.高用量のループ利尿薬の使用により,腎機能の低下がしばしば観察される.そのため,利尿薬抵抗性の病態を把握し,これに対し臨床的に対策を練ることにより,無駄で害のある投薬をせずに済む.近年,臓器保護を狙える利尿薬が出てきている.しかしながら既存の利尿薬の使用により,これらの臓器保護能力をもつ薬剤の抵抗性をもたらしてしまうことがある.そのため,臓器保護能力のある利尿薬をなるべく早期から使用し,腎障害性のある利尿薬を必要最小限にとどめることが肝要である.したがって本稿では利尿薬の作用機序と利尿薬抵抗性の病態について概説し,その対策を紹介する.
Copyright © 2014, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.