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特集 COPDの最新の話題
薬物療法:気管支拡張薬と吸入ステロイド
Pharmacotherapy in COPD
橋本 修
1
,
植松 昭仁
1
,
権 寧博
1
Shu Hashimoto
1
,
Akihito Uematsu
1
,
Yasuhiro Gon
1
1日本大学医学部内科学系呼吸器内科学分野
1Division of Respiratory Medicine, Department of Medicine, Nihon University School of Medicine
pp.1037-1047
発行日 2012年10月15日
Published Date 2012/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404102066
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はじめに
COPDは肺の炎症性疾患で,呼吸機能検査で正常に復することのない気流閉塞を示す.COPDの薬物療法の目標は炎症の制御と気流閉塞の改善であり,薬物療法を含めた具体的な治療目標と評価項目,すなわちCOPDに対する管理目標は,1)症状および運動耐容能の改善,2)QOLの改善,3)増悪の予防と改善,4)疾患の進行抑制,5)全身依存症および肺合併症の予防と治療,6)生命予後の改善1)である.また,GOLD20112)では,症状の減少として症状の軽減,運動耐容能の改善,健康状態の改善,リスクの低減として疾患の進行防止,増悪の予防と治療,死亡率の低下,を目標として掲げている.
臨床試験の効果判定は,一次評価項目と二次評価項目に分けられる.COPDは常に進行性の気流閉塞がありFEV1が低下する.このため,一次評価項目としては,FEV1やFEV1の経年変化を挙げる.さらに,FEV1の経年変化に影響を与える増悪を挙げる試験が多い.二次評価項目としては,生命予後の改善,生活の質(quality of life;QOL)の改善,などを挙げる.このような項目を評価するために適切な試験期間と参加症例数が必要である.
本稿では,吸入ステロイド(inhaled corticosteroids;ICS),ICSと長時間作用型β2刺激薬(long acting β2 agonists;LABA)の配合薬(ICS/LABA),長時間作用型抗コリン薬(long acting anti-muscarinic agents;LAMA),LABAとLAMAの配合薬(LAMA/LABA),などを中心に解説する.
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