Japanese
English
特集 COPDの最新の話題
全身炎症と併存症―不全を中心に
Comorbidities of COPD:especially heart failure
南方 良章
1
,
一ノ瀬 正和
2
Yoshiaki Minakata
1
,
Masakazu Ichinose
2
1和歌山県立医科大学内科学第三講座
2東北大学大学院医学系研究科呼吸器内科学分野
1Third Department of Internal Medicine, Wakayama Medical University
2Department of Respiratory Medicine, Tohoku University Graduate School of Medicine
pp.1029-1035
発行日 2012年10月15日
Published Date 2012/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404102065
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
はじめに
慢性閉塞性肺疾患(COPD)は,気道炎症とリモデリング,間質の破壊,気腫化などに伴い生じる気流制限が主たる病態である.しかし同時に様々な全身症状も伴い,その結果,呼吸機能低下,呼吸困難の増悪,QOL低下,死亡率の増加をもたらす.特に,骨格筋疲弊,るい痩,肺癌,肺高血圧,虚血性心疾患,うっ血性心不全,骨粗鬆症,貧血,糖尿病,メタボリック症候群,閉塞性無呼吸症候群,うつ病などが海外から報告されており,われわれは肝疾患の併存の可能性も報告している1,2).COPD患者は高齢者が多く,医療介入を要する併存症を有している場合が多く,併存症を有するCOPD患者では入院や死亡の危険性が高くなり,医療費もより高くなる.ここでは,COPDの併存症に対する最近の知見,併存症としての心血管系疾患,特に心不全に関する最近の知見について紹介する.
Copyright © 2012, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.