特集 おくすり比べてみました 知っておきたい!同種・同効薬の使いどころ
吸入気管支拡張薬
宮崎 雅之
1
1名古屋大学医学部附属病院 薬剤部
pp.59-63
発行日 2023年1月5日
Published Date 2023/1/5
DOI https://doi.org/10.15104/ph.2023010011
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気管支喘息は,気道過敏症と変動する気流制限を特徴とする慢性気道炎症性疾患である.気管支喘息の薬物治療には,喘息症状を管理する長期管理薬(コントローラー)と発作時に使用する発作治療薬(リリーバー)がある1).長期管理薬と発作治療薬の分類を表1に示す.長期管理薬では,長時間作用性吸入β2刺激薬(LABA),長時間作用性吸入抗コリン薬(LAMA),発作治療薬では,短時間作用性吸入β2刺激薬(SABA),短時間作用性吸入抗コリン薬(SAMA)といった気管支拡張薬が用いられる.
慢性閉塞性肺疾患(COPD)は,慢性気管支炎と肺気腫が合わさった病気である.COPDの主な症状は,慢性的な咳,喀痰,労作時の呼吸困難である.COPDの薬物療法は吸入剤の気管支拡張薬が中心となる.基本的な治療は,LAMAあるいはLABAを単剤投与し,治療効果が不十分であればLAMAとLABA(LAMA+LABA配合剤を含む)を併用する(図)2).
本稿では,吸入デバイスの特徴とともに,気管支喘息およびCOPDにおける吸入気管支拡張薬である,β2刺激薬,抗コリン薬とそれらの配合剤について述べる.
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